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舞踏家:中山直一 
Media Artist :曽我部哲也
写真家 : Cumon
Sound Design : JINN YAGI

魂魄 インタラクティブパフォーミングアーツ

「魂魄 京都公演」によせて

「物質的な豊かさ」から「こころの豊かさ」へ、或いは「量的な豊かさ」から「質的な豊かさ」へと今や多くの人々の志向が方向転換し始めているという認識と、その流れを喜ばしいもとして肯定的に受け止める立場から、さて、昨今の情報メディアの発達に我々はどう対処すべきなのでしょうか。

現在、コンピューターによるデジタルコミュニケーションツールの普及が人々の物心画面における生活環境をドラスティックに変質させつつある事は、止めようもない流れでしょう。と同時に、その事によって人々の世界観が日常の生活感覚のレベルから変質していく事も、避けようのない必然です。

しかるに、ここで、ツールの普及による生活環境及び世界観の激変という事態を、ただ楽観的に「神のみえざる手」に委ねているだけで、人間の幸福が保証させるかといえば、我々は壊滅的にならざるを得ません。ツールの普及は人々に利便性をもたらす一方で、新たな人間疎外や精神の荒廃を生み出す危険性をも含んだ両刃の剣である事は、過去の様々な文明の利器が人類に与えた影響を考えれば明らかでしょう。

 このジレンマを乗り越える為には、社会的な法整備や、倫理の確立、市民自覚レベルの向上、それを醸成する教育、はたまたツールが使用される現場における頻廃を未然に防ぐような何らかのシステム作り等、様々な手段が有機的総合的に講じられなければならない事は、現代社会の緊急の課題でありましょうが、理想の押しつけだけで明るい未来が開けた試しは古来なく、ここに、良質のエンターテイメントの存在意義があると言えるでしょう。

 快楽や楽しさへの人間的欲求を満たしつつ、精神的な深みのある世界にも触れたい、という大衆の要望に応えるような道しるべが示されなければ、理想は空回りに終わるでしょう。

 人々が楽しみながら、かつ注意深く抑制的にツールの果実を味わう事。そのモデルケースの一つを我々は提示したい。

今や多くの人々の願いとなった、生活を精神的な面で豊にしたいというニーズに、コンピューターの普及が如何にして資する事が出来るか。非人間的な未来予想図ではなく人間味のある情報化社会。

キーワードはインタラクティブとエロス。

「インタラクティブ」とは電脳界と自然界を対立する二元と見なすのではなく「一対なる二面」として同時に存在し、しかも互いの中に互いを内包しており、互いに働きかけ合い、入れ替わり立ち替わりするものとして捉えるという事です。

このような世界観(宇宙観)を四人の異なる分野のアーティストが交流するライブパフォーマンスによって、ほとばしる稲妻の様に、沸き立つ乱雲の様に、立ち上らせる事が本公演プロジェクトの野望であり、それを【魂魄】(魂(こん)精神を司るたましい 魄(ぱく)肉体を司るたましい)というタイトルに象徴させました。あわせて、その祝祭時空的な力の場に、森羅万象の生命の源として、エロス(愛)が咲き匂う花のように出現する事も企図しております。

 かつて母国語というものが、母国語による優れた文学作品を持つ事によって、初めて美しき規範を獲得したように、情報技術革命が引き起こしつつある人間精神の変容にグッドデザインを施す一助たらんことを、この魂魄で願っています。

konpakuposter.jpgポスターFH080009.JPG舞踏家 中山直一 写真:公文大志
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